Can't Buy Me Love/You Can't Do That

(R 5114)

発売日 1964年3月20日

 6作目のシングル。3週連続1位をキープし、なんと予約だけで100万枚を超えていた。

 「Can't Buy Me Love」は、作曲、レコーディングともにフランスで行われている。ビートルズは1964年1月15日~2月4日の間フランスでコンサートを行っており、20日間連続で毎日同じオリンピアシアターで演奏するという異例の公演であった。レコーディングはそんな公演中の1月29日に、フランスのパテ・マルコーニ・スタジオで行われた。ちなみにドイツからの要請により作られた「Komm, Gib Mir Deine Hand」、「Sie Liebt Dich」の2曲もこの日に録音されている。

 2月26日、レコーディングから1ヵ月を経てモノラルミキシングが行われた。モノラルにはバランスエンジニアのノーマンスミスが叩いたハイハットがダビングされており、ステレオにはこれがない。ジョージが初めてリッケンバッカー360/12を使用し、ビートルズの曲で初めて12弦ギターが使われた。この12弦ギターでの間奏はダブルトラックで録音され、さらにベーシックトラックではカントリージェントルマンも弾かれているため、「Can't Buy Me Love」のあの印象的な3つのギターで演奏しているように聴こえる間奏が生まれたのである。

 「You Can't Do That」はジョンによるもの。「Can't Buy Me Love」のレコーディングから約1か月が経った2月25日にレコーディングされている。

 モノラルミキシングは「Can't Buy Me Love」と同日、翌日の26日に行われた。3月10日には2曲のステレオミキシングが行われたが、そのステレオヴァージョンは採用されず、2曲とも6月22日に改めてステレオミキシングが行われた。これらはアルバム用のためである。



マトリクス 7XCE 17658 - 1N / 7XCE 17659 - 1N   マザースタンパー  3ROP / 7RRH

 

 タックスコードはa面のレーベルに「MKT」、デッドワックスには「KT」とある。レーベル左側の「NORTHERN SONGS NCB」の表記の「NCB」が左に飛び出ているタイプ。