1974年に行われたこのツアーは、ジョージの新作アルバム「Dark Horse」を引っ提げて行われる予定であった。だがジョージはこのとき喉の調子が良くなく、アルバムの完成も予定より遅くなってしまった。そして遂にツアーに間に合わず、ツアーの終了間際の発売となってしまったのだ。

 

　ツアー日程は以下である。

 

11月

   2日　Pacific Coliseum (Vancouver, Canada)

   4日　Center Coliseum (Settle, Washington)

   6日　Cow Palace (San Francisco, California)

   7日　Oakland Coliseum (Oakland, California)

   8日　Oakland Coliseum (Oakland, California)　2公演

 10日　Long Beach Arena (Long Beach, California)

  11日　The Forum (Los Angels, California)

 12日　The Forum (Los Angels, California)　2公演

 14日　Tucson Community Center (Tucsun, Arizona)

 16日　Salt Palace (Salt Lake City, Utah)

 18日　Denver Coliseum (Denver, Colorado)　2公演

　　　シングル「Dark horse/I Don't Care Anymore」アメリカで発売

20日　The Arena (St Louis, Missouri)

 21日　Tulsa Assembly Center (Tulsa, Oklahoma)

22日　Tarrant County Convention Center (Fort Worth, Texas）2公演

24日　Hofheinz Pavilion (Houston, Texas)

26日　LSU Assembly Center (Baton Rouge, Louisiana)

27日　Mid-South Coliseum (Memphis, Tennessee)

28日　The Omni (Atlanta, Georgia)　2公演

30日　Chicago Coliseum (Chicago Illinois)　2公演

 

12月

  4日　Olympia Stadium (Detroit, Michigan)　2公演

  6日　Maple Leaf Gardens (Toronto, Ontario)(Canada)　2公演

  8日　Montreal Forum (Montreal, Quebec)(Canada)　2公演　

  9日　アルバム「Dark Horse」アメリカで発売

10日　Boston Garden (Boston, Massachusetts)　2公演

 11日　Providence Civic Center (Providence, Rhode Island)

 13日　Capitol Centre (Landover, Maryland)　2公演

 15日　Nassau Coliseum (Uniondale, Long Island)　2公演

 16日　The Spectrum (Philadelphia, Pennsylvania)

 17日　The Spectrum (Philadelphia, Pennsylvania)　2公演

 19日　Madison Square Garden (New York City, New York)　

20日　Madison Square Garden (New York City, New York)　2公演

 

　このツアーには、ラビシャンカールやビリープレストンをはじめとするジョージと気の知れた仲のミュージシャンがサポートしている。ツアー名の通り、ジョージとラビシャンカールのツアーである。そのためセットリストには、ラビシャンカールによるインド楽器による演奏のコーナーも設けられており、日によってコーナーが2分割されてジョージの演奏と交互になるときもあった。これはインド音楽で観客が飽きてしまわないように配慮されたものだと思われる。また日によってセットリストの曲順が違っていたり、演奏しない曲などもあった。　

　全公演のセットリストを載せたいところだが膨大になってしまうので、初日のセットリストのみを載せる。

 

　ジョージの曲はビートルズから4曲、ソロからは9曲演奏され、ニューアルバム「Dark Horse」からは3曲のみであった。ラビシャンカールは6曲を3曲ずつに分けており、他ビリープレストン、トムスコットらの曲も演奏された。2曲目「The Lord Loves The One (That Loves The Lord)」と3曲目「Who Can See Me」が演奏されたのはこの初日のみで、2日目以降はセットリストから外された。

　当時このツアーは酷評され、ジョージ自身もこのツアーを最後にしばらくコンサートをやらなくなってしまう。酷評は、ジョージの喉のコンディションが悪かったのが大きな原因だったが他にも、「ラビシャンカールのコーナーが長い」、「曲をアレンジしすぎ」、「歌詞を変えすぎ」という声もあった。だが当時録音された音源を聴いてみると、確かに喉はガラガラなものの酷評されるほどの内容ではない。アレンジも演奏も良いし、枯れた声もまたいい味がある。特に「For You Blue」と「My Sweet Love」のアレンジは、他のどのアレンジよりもいい。でも確かにラビシャンカールのコーナーはもう少し短くて良かったかもしれないが、あくまでこのツアーでのジョージとラビシャンカールは同等扱いであったのでそこはしょうがない。